名も無きブログ

音楽×自転車×雨=ひが

死ねばいいのに

2017.09.27

category : 作り話

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職場の同僚や後輩が仕事で輝かしい功績を残したりプライベートで子どもを誕生させるなど祝うべきシーンが目に見える中で、そのシーンにおいて取るべき対応として一番正しいのは、おめでとう顔でおめでとうをいうことなのか?
順調にコトが進むサマを温かく見守って安月給を受け取るんが仕事なんか?

苦労せず仕事もある程度できる奴は一度、怪我や病気で少しくらい苦労したらいいのにな。
そう思うのは、性格が悪いのかあるいはこころが狭い証拠でしょうか。
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成長が何だ【ふぃくそん】

2010.09.12

category : 作り話

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ある後輩の女の子がとてもいい感じなので、飲みに誘ったり頻繁に電話をかけてみたりして距離を縮めていこうとしていた。
でもどうやら社会人の彼氏がいるらしい、と先週知らされた。
「ま、本気で狙ってたとかじゃないしいいんだけどね!」
とは友達の前では言うけれど、少し舞い上がっていた自分が恥ずかしかったり「社会人」ブランドに太刀打ちできない自分を情けなく思ったりする。

ささやかな慰安を求めて、僕は君と会う約束を取り付けた。
だいたい僕は女の子と話すときは聞き役になる。
女の子は話を聞いてもらいたい生き物なのだ、とどこかで聞いたことがある。
でもこういうときは僕のほうから話をしたい。
うんうんと黙って僕の話に頷いてくれていればそれで良い。

しかし君はそんな僕にお構いなしで、自分の彼氏や友達の彼氏の話をするのだった。
そのマシンガントークに僕の弱気なプチ失恋話をはさむ隙間はなかった。
「一生に一回くらいは外人とヤってみたいんだよねぇ~、あ、もちろんアジア系じゃなくて欧米の人ね!(笑)」
君がこんな発言をする度にいちいち僕はドキリとする。
「でもね、付き合いたくはないの、言葉大変だし宗教とか面倒だから」
僕は君の恋愛観に嫌悪感を覚えながらも、君に惹かれる部分が多いことも認めている。
でなければこういう日に君を呼ばない。

2時間ほどぶっ通しで喋って疲れたのか、君は静かになった。
「店をかえよう」
僕がそう提案した時には夜10時を過ぎていた。
喫茶店の閉店時間は11時だったが、客は僕と君だけだった。
2人で外の空気を吸いながら夜風にあたっていると、それだけで僕はもう後輩の女の子なんかいいやという気持ちになった。
「お酒を飲みたい」
と君が言うので、小さなイタリアンダイニングバーに入った。
カウンターがあって、最低限必要なリキュールが棚に並んでいる。
照明が暗すぎないのがいいと思った。

「で、今日は何か用があって呼んだの?」
と突然君が迫るので少し焦って、
「いや、特に…何か会いたいなと思ったんだよ」
と答える。
「ふーん…何か会いたくなるような出来事があったんじゃないのー?女の子にふられたとか!」
そこまで見通されると話さざるを得なくなった。
君が経験した修羅場に比べたら屁でもない話だな、と思いながら僕は誰かに慰められたくなった経緯を語った。

やはり君の反応は僕が求めていたのと全く違った。
「いいなぁ~社会人…どうやってゲットしたんだろ」
だから話したくなかった。
いや、一番初めは話したかったのだが。
「オトナな恋してんだろうねー」
僕はウィスキーを飲むペースが早くなっていた。
君は甘ったるいカクテルを半分くらい残している。
「まあその子一回くらいならヤらしてくれんじゃない?」
「別にヤりたいから近づいてたわけじゃないよ」
ヤりたいけどね。
「あのねえ、もうすぐ就活だよ?大人の世界の入り口に立とうとしてるわけ!もっと色んな味を知らなきゃダメでしょ」
言葉の上ではそれは合っていた。
でも別問題だと思う。

説教モードに突入されてはたまらないので、僕は別の話題を探した。
「再来週の金曜の夜空いてる?」
「再来週の金曜日…?って私の誕生日じゃん、旦那と過ごすから空いてないですー」
僕の誕生日は君が暇をしている限り一緒に過ごしてくれる。
でも君の誕生日は一緒に過ごしたことがない。
毎年違う彼氏が君の誕生日を祝う。
ちなみに彼氏を「旦那」と呼んじゃうところも僕は快く思っていない。
「一度くらい祝わせてくれよ」
「やーよ」
「どうせ今の貧乏彼氏じゃたいしたプレゼントもないだろう?」
「あのね」
と少し間を置いてから君は言う。
「職がないだけで別に貧乏じゃないんだから」
「早くそんなニート野郎と別れちまいなよ」
とは言えない。

毎年僕は自分の出番を待っている。
僕は君にとって何番目の男なのか。
以前君に好きだと言った時、僕からは何も得られないという理由で断られてしまった。
そういう思考が既に僕と完全にずれている。
つまり僕は何かを得るために君を好きになったんじゃないんだ。
恋愛を通して大人になる?
成長する?
ばか言うな。
そりゃ確かに僕が恋人になって成長できるかと言われたらそれは難しいだろうと思う。
でも恋ってそういうことじゃないだろ?
突然ガツンときて体から心から離れなくなるんだ。
その感覚を共有できない女なんか好きになれない。



でも君が好きだ。
どうしよう、僕は、どうしよう。

ご褒美にセックスを

2010.02.03

category : 作り話

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小学校のときの友達と飲んでいた。
国分寺で飲んでいたはずなのに、何故か武蔵小金井から歩いて帰っていた。
国分寺から武蔵小金井までの記憶がほとんどない。
多分歩いて行った。
でもなぜ一駅歩いたのか、その間に何があったのか思い出せない―――
飲んでいたときの記憶と、武蔵小金井から一人で歩いて帰ったときの記憶は鮮明に残っている。
でも、一駅歩いたときの記憶が無い―――


僕は元のバイト先のコンビニエンスストアに立ち寄って、缶ビールを購入した。
すでに酔っ払っていたのに、缶ビールを買って飲みながら歩いて帰ったのだ。
石畳の情緒ある下り坂をゆっくりと、一歩ずつ降りていく。
生ぬるい空気に、時々冷たい風が吹く。
僕は缶ビールを一気に半分まで飲んだ。

次の瞬間、僕は足元の何かに気づかずに躓いて大げさにひっくり返った。
缶ビールがマフラーを濡らし、それが次第にしみこんで首筋に伝わっていくのがわかった。
足首が痛む。

僕はその場にしばらく倒れこんだままでいた。
頭もくらくらしていたし、目を開けると視界が右上回りにくるくると回っていた。
えらくのどが渇いていて、それに気温がとても低かったのでとりあえず移動したかったのだが、体中の筋肉はすでに眠っていて、動けなかった。
頭はなんとか働いていたのに、体は全く動けなかったのだ。

僕は何か言い訳を考えていた。
誰に対する何の言い訳なのかわからないけれど、僕がここに倒れているのは僕が悪いからではない、ということを第三者に証明したいのだった。
その状態が半分と、もう半分は夢の中で嵐と戦っていた。


”Riders On The Storm”
国分寺の駅を降りると外は嵐が吹き荒れていた。
僕とその小学校のときの友達は、家に帰れず困った。
するとその友達は、「そうか、嵐に乗ればいいんだ」と言って、嵐の中に飛び込んでいった。
僕は驚いて「ええ、何それ」と言った。
友達は「おいでよ、一緒に嵐に乗って帰ろうよ」と言った。
友達は吹き荒れる嵐の中、綺麗にバランスをとって宙に浮いていた。
僕もそれを見て嵐の中に飛び込んでいくと、お気に入りのハンチング帽がどこかへ飛ばされていった。
そしてバランスを崩して、すっこけた。
どうやっても友達のように安定した姿勢がとれなかった。
「体が軽すぎるんじゃないの」
「いや、嵐に乗るってね、そんな、馬鹿じゃないの」
友達は僕をおいて、嵐とともに帰宅していった。
僕は嵐との格闘を諦めて、駅構内に戻って行った―――


そんな夢だった。
何となく目が覚めたら若い男女2人組が、僕を心配そうに見ていた。
「水、いりますか?」
ギャル系カップルだったけれど、優しい人のようだった。
僕は水はいりませんと答えて、ついに体を起こした。
「あの、家に帰れますか?」
すいません、そんなに遠くないんで帰れますと僕は言う。
「あたし達帰れないんですよ」
一瞬えっと思い、もう一度えっと思った。
帰れないとはどういうことなのか、聞いてはみたけど彼らの説明はふにゃふにゃしていて内容がよくわからなかった。
でもとにかく帰れないのだという。
「朝まで一緒にいてもらえません?」
彼らと話しているうちに僕はすっかり目が覚めた。

きっぱりと断って、僕は彼らを置いて立ち去った。
家までの道のりはかなりゆっくり歩いて帰った。
家に帰って、温めた牛乳を飲んでいるときに財布をなくしたことに気がついた。

なんだかすごく、ばかみたいだ。







といういかにもフィクションらしいフィクション。
財布は無事です。

まいかの何でもノート~駆け出しグラビアアイドル、長谷川まいかの公式blog~

2010.01.03

category : 作り話

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まいか様

初めてコメントさせていただきます。
いつもブログ楽しく拝見しています。
いよいよ冬本番ですね。
体にお気をつけて、また元気な写真載せてください。

投稿者:レインボー 2009.12.30 02:03




まいちゃ~ん!
マジで帽子似合ってます!!

あと最後の文、たばこのキャスターのことだよね?
キャスッターってなってて勝手に一人でウケちゃいましたww
直しといたほうがいいよ!

投稿者:ひで丸 2009.12.30 02:38




久しぶり。
俺、正吾だよ。覚えてる?

たまたまgoogleでお前の名前検索してたら出てきたんだ。
まあ、元カノの名前をgoogleで検索している時点で「たまたま」感はだいぶ薄れるけどな。

何か、ほんとにアイドルやってるんだなぁってびっくりしたわ。
お前が諦めて東京から戻ってきた時のために、俺あれ以来誰とも付き合ってこなかったんだけど・・・
随分遠い存在になった気がするよ。

ブログの写真とか見る限り、結構過激な仕事もあるみたいだな。
お前と付き合ってからエッチするまでに半年もかかった俺にしてみると、ちょっと悔しいっていうか残念っていうか。
乳首に花びらつけてローションだらだらの映像なんて、付き合いたての頃は想像もつかなかったよ。

っていうかこのコメント長いな。もうやめとこ。
まあ適当に仕事頑張って、たまには山口戻っといで。
体にだけは気をつけてな。

投稿者:広島正吾 2009.12.30 09:01




えっwちょwwおまwww
上のコメントガチ元彼か?

マジかwwぜってーありえんしwww
まいかは男性と付き合ったこともないし経験人数もゼロだって言ってたよな?

まあ今となってはまいかはもう俺のもんだからどうでもいいけどねーwww

投稿者:イヒヒ 2009.12.30 11:36




元彼自重www
KYにもほどがあるだろコイツww

管理者の方コメ削除願いますー。
とかいってかつて無いほど動揺してる俺ww
上のコメがマジだったら死にたい。

投稿者:TKI 2009.12.30 11:44




元カレ正吾様降臨やー(^つ^)
未練たらたら過ぎワロスww

投稿者:エンジ 2009.12.30 13:25




まいかさんのファンの皆様

広島正吾さんを叩きすぎではないでしょうか?
いくらネット上で顔が見えないからとはいえ、人にそんな風に言われたら誰でも傷つくと思います。
マナーを守って楽しんでいただかないと、まいかさんもお気の毒です。

広島正吾様

広島さんも、ネチケットを守ってください。
このブログのコメントは全世界に公開されるわけですから、あなたのコメントを見て不快感を覚える人も中にはいるのです。
もしあなたが本当にまいかさんの元交際相手なら、パブリックの場ではなくプライベートの場で、つまり電話やメールなどでやりとりをしてください。
あなたが本当に元交際相手ではないのだとしたら、いたずらはやめてください。
私は、あなたがうそつきであることの方を願っています。

P.S. wってどういう意味ですか?

投稿者:レインボー 2009.12.30 15:09




おっさんwwwバロスwwwwww
コメにPSはないだろww
お前こそ最高のKYだわwwww>レインボー

正吾もマジで自重しろww
確かに昔付き合ってたけど、3股のうちの一人のくせに偉そうな口たたくなチビwwww

ちなみに今はセフレが7人で恋人はいません。
遊び彼氏募集中www本気の彼氏はいりませんww

あと来年からは「AV女優 長谷川まいか」をよろしく!(^o^)ノ~

投稿者:まいか 2009.12.30 17:00

スピッツを聴くことにした

2010.01.01

category : 作り話

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昨日は大晦日だったので家族でお酒を飲んだけれど、それまで4日間ノンアルコール生活だった。
僕にしてはなかなか珍しいと思う。
最後に飲んだときがバイトの忘年会で、僕が幹事をやったせいかわからないけれどシュールな仕上がりになったやつだ。
サークルのライブに顔を出したときも、
「お酒飲みましょうよ」と誘われたけれど、結局牛乳を買って飲んだ。


昨夜はそれで少し酔いながら、ゼミの勉強をしたり、YouTubeでマイコーりょうという昨年小ブレイクしたマイケルジャクソンの真似をする芸人の動画を観たりしていた。
12時ちょうどに、一年生の時の英語のクラスが一緒だった人から年賀メールが届いていたみたいだが気づかなかった。
12時半には寝ていた。


今日起きたら昼の2時だった。
僕以外の家族全員は、慌てて年賀状を書いていた。
僕はつまらない正月特番を見るでもなく、ご飯を食べるでもなく、車に乗ってでかけた。

ガソリンが3割くらいしか入っていなかった。
僕は行きたいところがあって車を運転するのではなかった。
なんとなく運転したくなったのだ。

ラジオからは、お琴のBGMと女性DJのトークが流れる。
時々、僕の知らないJ-POPが流れた。

車を運転するのなら、窓は開けるに限る。
冷たいけれど、外の空気が入って気持ちが良い。
その代わり、防寒対策のためにダウンは着なければならない。


少しして、腹が減ってきた。
そういえば起きてから何も食べずに出てきた。
気づけば、寝癖もそのままだ。
僕は道路の左側にコンビニを探した。
正月でもコンビにはやっている。
だから日本のコンビニはえらい。
ベルギーなんか日曜日になると旅人は食いっぱぐれてしまう。

大通りに面していて、大きな駐車場も完備していたが、店内は閑散としていた。
品出し中の番什が重なって放置してあり、つぶした後のダンボールが何枚も汚く落ちていた。
カウンターには中国人と思われる30代くらいの女性店員と、明らかにまだ10代の女の子の店員がいた。
僕はあたたかいコーヒーとサンドイッチを手に持ち、もう一品ちょうどいいものを探した.

女の子が僕を見て小声で中国人に何か話しかけている様に見え、おそらくかっこいいなどとほめられているわけではないだろうと確信し、嫌な顔をしてそちらを睨みつけた。
女の子と目が合って、笑顔で「いらっしゃいませー」と言われた。
この女は幸せな状態が絶えないタイプの人間だろうと勝手に思った。
頭が良くないけど、それが幸いしていいことばかり身の回りに起こるタイプ。

レジで中国人に接客されているときに、ポケットの携帯からUNICORNの大迷惑が流れた。
どうせ家族から「どこにいるの?」のメールだろうと思った。
車に戻って、コーヒーを飲みながらメールを見る。
バイト先の同い年の男の子からだった。
初詣に行かないかという誘いで、僕が候補として選ばれて一斉送信の中にいたのだ。
この間新人で入ってきた「あたし2週間彼氏から連絡ないんですよぉ~」の女の子も一緒らしい。

「行かないよ。」
とそれだけメールしようと思ったが、それはやめた。
もう、そっけないメールは送らない。

 あけましておめでとう!
 初詣楽しそうだなぁ。
 行きたいけど、今車で
 ちょっとした旅してるから
 行けないわ~。残念。
 来年の初詣に誘ってくれ笑。
 そういうことで、また。
 今年もよろしく!

と送った。
ちょっとした旅。
響きが気に入らなかった。
逃亡といった方が正確だ。





もういいや。





サンドイッチと肉まんには手をつけずに車を発進させた。
お気に入りのCDを持ってくればよかったと思った。
ラジオはどこのチャンネルも、つまらないJ-POPしか流れない。

そのとき、誰かのリクエストでスピッツの「涙がキラリ☆」が流れた。
スピッツはそこまで好きではないけれど、この瞬間何となくかっこいいと思った。
スピッツは、かっこいい。


今年は、スピッツを聴くことにした。









今日の記事はどこからがフィクションだったでしょうか?
というクイズ。


就職活動に対する不安がもっと具体的だったらいいんだけどな。

就活デート2

2009.11.30

category : 作り話

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 会田社長は、言葉も丁寧、表情も穏やかで、見た目の印象はとても良いのだが、やっていることはむごかった。新卒採用の最終面接で、女性とデートして来い、相手は自分で選べ、である。
 一通りの面接は練習してきた正だったが、こんな面接はもちろん初めてであった。ううむ、意図が読めない。
 女性はざっと見て20人近くいる。とても子供っぽく見える女性、モデルのように顔立ちもスタイルもいい女性、地味すぎる女性、ぽてっとした体系の女性、ギャルっぽい女性というよりもただのギャル、それから40歳近くのおばさんに見えるような女性もいる。ここから、好きな女性を選べというのだ。それで、僕の何がわかるというのだろうか。年下で見た目はギャルっぽいけど実はドMな女の子が好きだという僕の趣味を知って、何になるんだろうか。それと、この女たちは一体何者なのか。社員?部外者?

「どうしても選ばなくてはいけませんか?」
正はそう尋ねた。優柔不断、と思われてしまうリスクを負って。
「どうしてもということはありません。好みの女性はこの中にいませんでしたか?」
冗談めかして社長が言った。
「素敵だなと思う女性は何人もいらっしゃいます。いえ、みなさん素敵な女性方だと思います。ですが、学生に女性を選ばせるというやり方は私は好きではありません。」
それを言うのはとても恐ろしいことだった。言葉の選び方を間違えたと思った。会社が示したやり方を、私は好きじゃない、と言ってしまったのだ。
「そうですか、じゃあ私が適当に選んじゃいましょう!ちなみに、どうしてこのやり方が気に入らないんですか?」
「女性側にとっても、学生側にとっても、不公平な印象を与えるやり方だと思うからです。女性側からしてみれば、ただの学生とはいえ、やはり自分が選ばれないといい気持ちがしないことと思います。それから、学生にしても、選択権が与えられて一見いいようにも感じられますが、実は過大な裁量権が与えられることで嫌なプレッシャーを感じる原因にもなるかと思います。面接の本番で自分を見てほしいのに、女性を選ぶ段階ですでに自分は試されている、と考えるとやはりいい気持ちがしないものです。」
正は論理的に自分の言っていることが合っているのか、わからなくなっていたが、社長はなるほどとだけ言って、一人の女性を指名した。

 森田美佳。残念ながら年下でもなければギャルということでもなさそうだった。長い黒髪に色白の肌が対照的だった。クリーム色のパーカーに中はグレーのシャツ、下はデニムのミニスカートと、レギンスを履いていた。背も高く顔立ちも大人びた印象なのに、ファッションが高校生みたいで似合っていないなぁと正は思った。

「面接の開始・・・いやデートのスタートは午後4時です。待ち合わせ場所は、今決めちゃってください。そこで待ち合わせして、帰りは二人で一緒にここまで、この会議室まで、帰ってきてください。4時スタートだから、6時半までに帰ってくるようにお願いしますね。はい、じゃあどこで待ち合わせますか?ちなみに新宿からそう遠くないところにした方が、長時間デートできると思いますよ。高尾山で待ち合わせ、なんつったら行くのも帰るのも大変ですからね、ハッハ。」
新宿からそう遠くない場所といったら、渋谷、原宿、池袋・・・それから、別に新宿でもいいのだけれど。
 だが東京の西側で生まれ育った正は、東京の都心部に全く疎かった。地方からやってきた田舎者や外国人観光客の方が、多摩地域に生息する人々よりもよっぽど23区事情に詳しかったりするもんである。多少遠くても、自分の知っているフィールドの中で勝負をしたい、と正は思った。渋谷のモヤイ像が何口のどの辺にあるのか、池袋のナンジャタウンが何の町なのか、全くわかっていないほど正が都会に疎いことを考えれば、待ち合わせ場所をJR吉祥寺駅北口改札前にしたことは賢い選択だと言えるだろう。以前吉祥寺のアイスクリーム屋でバイトしていたこともあり、吉祥寺にはわりと詳しい。

「じゃあ、まだ時間にも余裕がありますから、お互い自己紹介でもしといて下さい。待ち合わせ場所には二人バラバラに行くことになりますからね。わざとちょっと時間に遅れて、ゴメンゴメン待ったぁ?なんていうのも作戦としてはアリですからね。」
これもまた正を非常に惑わせる発言だった。
 基本的に何をやっても自由なのだ。だから困る。ひょっとして、リアル連絡先を聞いたりするのも、手をつないだりキスをしたり、その後に発展していくのもアリだというのか・・・?正の下心がわさわさと動くのが、自分でもよくわかった。


続く

就職デート

2009.11.30

category : 作り話

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 アイダ(株)は、ブティックや大型店舗を全国展開している、ここ数年で急成長してきたアパレルメーカーである。独自のブランドをいくつか持っており、低価格中心のブランドから高級志向に対応したブランドまで、幅広く手掛けている。
 広間正は、早くから自分の就職先としてアイダを狙っていた。安定?福利厚生?そんなもんにははなから興味がなかった。正が興味をそそられたのは、その風変わりな経営者と斬新な経営スタイルだった。社長が変わっているからいい、というわけではもちろん無い。正はこの社長を雑誌のインタビューか何かで知ったのだが、「自分と感性が似ているな」とその時思ったのだ。
 本当に、それだけだ。感性が似ている、と何となく思っただけで、正は「俺はこの会社に求められている」と思い込み、エントリーをし、選考を順調に進み、最終面接までたどり着いたのである。ここまでの選考は、まあ他の企業と大差の無い、ありきたりな内容であった。だが、最後は何かしら仕掛けてくるに違いない、と正は心構えしていた。
 
 そしてやはり、相手は仕掛けてきた。服装は、普段着で来て下さいということだった。スーツではなく、ビジネスカジュアルでもなく、例えば日曜日に恋人とデートする時の様な、そんな格好で来て下さい、と。 いきなりこれは少し戸惑った。スーツで来るな、ビジネスカジュアルで来るなと言われているのだから、それらを着ていった奴はその時点でアウトだろう。。。そうだろうか。だいたい俺はデートの時何を着ていってたっけ。彼女とは就活が始まってすぐ別れた。…ミカはレコード会社、通ったんだろうか。何で歌手になりたいわけでもないのにわざわざレコード会社に就職しなきゃいけないのか、正には理解できなかった。そしてそれは今もそうだ。正はつい余計なことまで心配していた。
 
 結局黒地に薄くチェックの模様が入ったチノパンに、上は白無地のロンティー、それからエンジのジャケットを羽織った。正は我ながらセンスない、と思った。だが上下ジャージ、という普段のスタイルよりはましである。
 面接は新宿本社ビル8階、会議室で行われる。と、正は思っていた。社員に誘導されて正は会議室に入った。雑誌で見た社長がスーツ姿で座っていた。表情は穏やかである。そして横には何故かカジュアルな格好の女性が何人も並んで座っていた。それから、正が座るべき椅子は見当たらなかった。立って話すのか。何なんだこの面接は…!? 社長はまず軽く挨拶をし、それからこの面接の説明をし始めた。
「申し訳ないけれど、この面接はあなたの座る椅子はありません。それから、私は今ここにこうしていますが、面接の本番が始まっても私はその様子は見ません。あ、まだ本番は始まっていないんですよ。この段階でわからないところはありますか?」
「すみません、ほとんどがわかっておりません。」
「ですか。ですよね。ではもう少し説明します。あなたにはこれから、ここにいる女性と2時間半デートをしていただきます。普通に、彼女とデートする感覚でデートしていただいて結構です。どこで何をしても構いません。ただし条件があります。女性を楽しませて下さい。自分一人だけ楽しんでいたんではダメですよ。それから時間はちゃんと守って下さい。つまり指定した時間にはちゃんとここに帰って来て下さいね。それ以外は何をやるのも自由です。」
やっぱりこの社長はおかしい。一体自分のどういうところが見られるのかわからないし、意地悪だなとも思う。さらにこの男はとんでもないことを言い出した。
「尚、相性というものもありますから、デート相手の女性は広間さんご自身で選んでいただいて結構です。」
…えっ。


続く

血まみれの日曜日

2009.10.06

category : 作り話

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えっ、マコトまたやったの!?信じられない!

そうなの。でもまあ悪い予感はしてたんだよね。またくるんじゃないかって。

だってこないだ病院に行ってからだいぶ精神的に安定してきたって言ってたじゃん!

うん…あそこの医者はメンタルケアしっかりやってくれるし、薬の方でもだいぶ効果あったから、本人も安心してたんだ。最初はね。最初はだよ。

また始まったきっかけって何かあるの?

きっかけっていうか…、段々よ、段々。2、3週間に一回だったのが、週に一回になって、今となっては週に四回も五回もあるの。

前より多くなってない?さすがに痛いよね…傷だらけになっちゃう。ねえ、怖くなかったの?

最初にやったのを見た時は怖かったよ。あたしの部屋に入ったら、昼間なのにカーテン閉めて電気消して。見たら壁に寄りかかってうずくまってるのよ。体震わせて。床には血だらけのティッシュがいっぱい転がってて、顔と手首の周りにもべっとりついてるの。

うわぁ…。

慌てて「どうしたの!?」って聞いたわけ。そしたら「ヘヘへ、俺やっちゃったよ…ごめん」っていうの。ホント、どうしようどうしようって思っちゃって。でも繰り返されるうちに見るのも慣れちゃった。手首血でだらだらになってるのとか。

怖ーい。よく別れないよねー?

だって普段は本当に普通なんだよ?やさしくて気を遣えて男前だし。お互い大好きなの。

マコトって何年か前うつ病だったんだっけ?

うんー…でもあたしと付き合い始めた時はもう良くなってたし、それとこれとはあんまり関係ないと思う。

えーそうなの?初めてやっちゃった時は何が原因だったの?

詳しくは知らないんだけど、大切な友達に裏切られてむしゃくしゃしてたんだって。あんだけ仲良くて信頼し合ってたのに、二度と顔も見たくないって言ってた。

あ、その友達のこと知ってるんだ?

うん。知ってる。でね、その日すでに結構アルコールも入ってて、だいぶ興奮してたみたいなの。その末にやっちゃったっていう。

ねえ、やっぱりマコトってメンタル弱いんだよー。心が繊細だからさ…

関係ないって!だってさ、いくら精神弱くても、それと鼻血がいっぱい出ちゃうのとは関係ないでしょ!


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ひが

  • Author:ひが
  • The 新社会人

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